講演会 コーディネートの秘訣

患者さんやそのご家族など「医療を受ける側」と医療機関や医師など「医療を提供する側」の間に立って、 治療や療養などが円滑に進むよう調整したり、患者さんの意思決定を支援したりする役割を担う「医療コーディネーター」。

そんな医療コーディネーターとして私が日々活動をする際、心掛けていることが幾つかあります。

たとえば、患者さんやご家族、医療者などコーディネーターとしてかかわらせてもらう人は、一人ひとり状態や環境、あるいは考え方など異なる、すなわち「百人百様」であるという前提に立つこと。ごくごく基本的なことではありますが、だからこそ大切に、そして尊重するようにしています。

また、患者さんやご家族をサポートするとき、身近な人(=2人称)に寄り添う姿勢を持ちつつも、第三者(=3人称)への冷静、且つ客観的な立場を保つべく、「2.5人称の距離感」を意識すること。患者さんやご家族の状態や心情を理解・共感すると同時に、専門家として多角的な見方に基づいた支援を提供するうえで、欠かせない立ち位置です。

2.5人称の距離感

そうした医療コーディネーターの視点を中心に、医療とは異なる業種でコーディネート業務を担う機会がある皆さんに講話をさせてもらう機会がありました。私が考えるその業種におけるコーディネートのポイント含め、お伝えした知識やスキルが、聴講者の皆さんの日々の仕事の中で少しでもお役に立てばと願っている次第です。