劇症型溶血性レンサ球菌感染症

身体の組織や細胞が死滅する”壊死”、複数の臓器の機能に障害が生じる”多臓器不全”などが起こり、ときに死に至る場合もある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」。死亡率は約30%とされ、一部メディアでは「人食いバクテリア」とも呼ばれています。

昨年、感染者数がこれまでで最も多い941人を数えましたが、今年は6月2日時点で977人と半年弱で上回る状況に。更に6月9日時点では、1,019人と1,000人を超えました。

発病時の初期症状は、手や足の痛みや腫れ、発熱、血圧低下などが見られます。症状の進行が急速且つ劇的で、発病後数十時間以内に冒頭で触れた壊死や多臓器不全に陥り、命を落とすケースも少なくありません。感染の予兆が見れらた際には、躊躇うことなく医療機関を受診することが求められます。

また、感染経路は飛沫感染や接触感染、手足などの傷口から感染する創傷感染が挙げられますが、はっきりしないケース(=感染経路不明)も多い状況にあります。現時点において、劇症型溶血性レンサ球菌感染症に有効なワクチンは存在しないため、手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染症対策、また傷を負った際には、傷口を清潔に保つことが予防の鍵となります。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症

過度に恐れる必要はありませんが、万が一に備え、初期症状などは頭の片隅に留めておくようにしましょう。