講演会 健康寿命と睡眠

先日、健康寿命をテーマとした講演会で講師を務め、身体活動や食事など健康寿命を延ばすための秘訣をお話しさせてもらいましたが、その1つとして「睡眠」を取り上げました。

国際経済を協議する機関であるOECD(経済開発協力機構)は、統計リサーチ「Gender Data Portal 2021」において、睡眠時間に関する調査を実施。その結果、加盟33か国の国民の平均が8時間24分であったのに対し、日本人は7時間22分と断トツに短い結果となりました。

 

1日当たりの睡眠時間が6時間未満だと、

① 7時間以上8時間未満と比較し、心筋梗塞はじめ心血管疾患の発症リスクが4.95倍になったとする日本人男性を対象とする研究結果

② 世界中で行われた研究結果を解析したところ、死亡リスクが有意に上昇との報告

など、短い睡眠時間は健康、ひいては寿命に悪影響を及ぼすことが明らかとなっています。

睡眠

(講演会当日に使用したスライドより)

 

そうした中、厚生労働省は、良い睡眠について最新の科学的知見に基づいてまとめた「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を2月に公表。個人差を踏まえつつもライフステージごとの睡眠時間として、

・小学生・・・9~12時間

・中学・高校生・・・8~10時間

・成人・・・6時間以上

・高齢者・・・8時間未満(床上時間(※))

を推奨しています。

(※)実際に寝ている「睡眠時間」に加えて、寝床に入ってから寝付くまでの時間などを含めた「寝床で過ごす時間」。高齢世代では、床上時間が長くなると日中の活動時間の減少に繋がり、健康悪化や寿命短縮のリスクとなることが指摘されている。

 

仕事、勉強、家事、趣味などに忙しく、睡眠時間を確保することが難しい人も少なくないかと思いますが、上記の推奨時間を一つの目安とし、充分な睡眠を取って健やかな日々を送るようにしたいものです。