医療者にとっての患者さんの死
先日、都内大学医学部の講義でゲスト講師を務めました。
そう遠くはない将来、医師として、患者さん、そしてその”いのち”と向き合うことになる学生達。そんな彼ら彼女らに向けた講義のテーマは「死生学」。
死の疑似体験ワークで自らの死(=一人称の死)を体験してもらったり、医療者にとって患者さんの死が、家族や友人の死(=二人称の死)と同等のものなのか、あるいは自分には関係のない人の死(=三人称の死)なのかについて考える時間を持ってもらいました。
医療者の中には、患者さんの死を自分の家族や友人の死と同じように受け止め、患者さんが亡くなった後、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥ってしまうも……。患者さんの死を真摯に受け止めることは大切ですが、医療のプロとしての責務を果たすことができない事態は絶対に避けなければなりません。
そのようなことから、二人称の死と三人称の死、それぞれの視点を併せ持つ「二・五人称の死」として捉えることが1つの解決手段となりうることを解説。 さすがは医師の卵の学生達。
教壇からその表情を見渡したところ、多くが納得顔を示してくれていました。
堀 エリカ