死の疑似体験ワーク
立教セカンドステージ大学で私が教壇に立つ「現在(いま)を生きるための健生学 -生と死を見つめる-」。
9月の開講後、「健康」「医療」を論じた講義テーマは、12月に入り「死」へと移りました。
自分自身、そして家族や友人など大切な人にも、必ず訪れる死。人生最期の瞬間まで如何に自分の人生を歩むか、また最愛の人を看取った後に如何にその状況と向き合うか、普段目を背けがちなことに目を向け、考える、そんな時間を受講生と共有しています。
年内最後の講義となった先日は、関西学院大学の藤井美和教授が提唱する「死の疑似体験ワーク」を行ないました。受講生は、①形のある大切なもの(例:自宅)、②大切な活動(例:仕事)、③大切な人(例:親)、④形のない大切なもの(例:幼少時の思い出)を、それぞれ3つずつ都合12選び、12枚の紙片に1つずつ書き込みます。続いて、私が朗読する日記の中の病と向き合う主人公と自分自身を重ね合わせ、病の進行とともに、12枚の紙片の中からを1枚ずつ”手放すもの”を選び、破っていきます。
受講生は、このワークを通じ、死が大切なものを否応なしに手放すよう迫ることを体感するともに、自分にとって本当に大切なものが何であるかに気付いてくれたようでした。
堀 エリカ