地域ケア従事者の研修会

1月末日、地域ケアの最前線で活動するケア従事者の方々の研修会にて、堀は研修講師を務めさせていただきました。

この日の研修会のテーマは「最後の瞬間まで安心を届けるためのケアとは」。

患者さんや利用者さんに安心を感じてもらうためには、地域ケアに従事する人たちがそれぞれの職種の垣根を超え、”連携”してケアを提供することが必須です。そして、その連携の実現の鍵を握るのが”多職種間コミュニケーション”。多職種間コミュニケーションを円滑に進めるうえでは、自分と異なる専門性を持つ相手の文脈に即しメッセージを発信することがポイントとなると、堀はケースを交えながら解説しました。

また住み慣れた自宅や地域で人生の最終章を迎えたいと願う人が増える今日、以前にも増して地域ケア従事者には、死と向かい合う患者さんや利用者さんのこころに寄り添うケアの実践が求められています。そこで今回の研修では参加者の皆さんに”死の疑似体験ワーク”に取り組んでもらいました。

死に直面する人はたとえ本意でなくとも、家族や仕事など大切なものを1つずつ手放さざるを得ないこと、そして最期の瞬間にはどんなに辛くとも必ず全てにお別れをしなければならないことなどを、参加者の皆さんにワークを通し実感してもらいました。

参加者の皆さんはどの方もワークに真剣に取り組み、日頃は考える機会が少ない自分にとって本当に大切なものを確認するとともに、患者さんや利用者さんがどのような心理過程を辿るかについて理解を深めておられました。

昨今「死生学」や「エンディングノート」に焦点が当てられる機会が増えてきたことが例示するように、普段から死について考えを深めることが大切であるとの認識が少しずつ深まりつつある感があります。この度のような研修会やセミナー・講演会、大学等の講義、著書『たくさんの『最期の瞬間』により添ってわかった おだやかで幸せな死を迎えるための23の方法』などを通じ、普段から死と向かい合うことが自分にとって周囲の人にとって大切であることをこれからも堀は訴え続けて参ります。

控室での一コマ

(研修会を前に控室で最終の内容チェックをする堀)

堀からのメッセージ

今回の研修会に参加された多くの方が、私にとって馴染みの深い地域で患者さんや利用者さんを支えていることを知り、1人のケア従事者として大変親近感を覚えました。

研修会終了後、私を囲み熱心に意見交換をしていただき、講師である私が学ばせていただくことも多数ありました。患者さんや利用者さんにより良いケアを提供するために、ぜひまた皆さんと意見交換する場を持たせていただければと願っております!

堀 エリカ

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