未来の医師に向けての講義

今月上旬、堀は都内私立大学の医学部で講義を行ないました。

受講生は4年生約100名。オスキー(診断能力を身に付けたかを確認する実技試験)を少し前に終え、実際に患者さんに対峙する臨床実習を間近に控えた学生です。

堀が講義テーマに選んだのは「死生学」。医師の仕事は死との関係が深いこと、また多くの学生がこれまで死と向かい合った経験を持たないことから、臨床実習前のこの時期にぜひ学びを深めておいてほしいとの狙いのもとテーマに選びました。

講義では、自分自身の死を「1人称の死」、家族など身近な人の死を「2人称の死」などとする「死の人称」についてまず解説。続いて受講生全員に1人称の死を疑似体験するワークに取り組んでももらいました。

死とは大切な人、モノ、思い出などを1つ1つ手放すよう強いるものであること、そしてその手放すという行為が如何に精神的にツライものであるかを、ワークを通し一人ひとりの受講生は理解、実感していました。

講義中の一コマ

堀からのメッセージ

講義終了後、ある学生が私のもとに駆け寄って来て、「先生の講義を今日受けて、医学部に入学した当初の気持ちを思い出しました。これからもその気持ちを忘れないよう患者さんに向かい合っていきます!」 と語りかけてくれました。

講師としてさまざまな教育機関の教壇に立ちますが、学生たちからのそのような言葉は「自分の講義や話が学生の心に響いたのかなぁ」と実感できる何より嬉しいのものです。

人は必ず最期の瞬間を迎えます。学生の皆さんには今回取り組んでもらった死の疑似体験ワークを通し体感したものを臨床実習、更には一人の医師として患者さんに寄り添う際に役立てほしいと願っています。

学生の皆さん、真摯に講義に臨んでいただきありがとうございました!

堀 エリカ

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